南越前町担い手農家インタビュー「私たちの営農💪」その11
- 2022.03.29
- 仕事
その11 井上悦宏さん
品目 | 主食米・そば・飼料用米・ほうれん草(冬の間)・つるし柿 |
面積 | 米(ハナエチゼン7ha コシヒカリ14ha 日本晴8ha) そば8ha+飼料用米2ha |
場所 | 南今庄 |
特徴 | 特別栽培、農薬を減らす取り組みを行っています。 |
Q.農業を始めたきっかけと今までの道のりを教えてください
A.当時、私は他の仕事をしていて、自分が農業を始めれば家族で農業は続けられる、農業を始めなければ家族ごとやめるかの岐路に立っていました。弟と妹は農業をやっていましたが、田んぼを集積していく中で働き手が足りなかったため、自分もやっていた仕事をやめて農業の道に進みました。
当時は、自分たちの農地の中に、浅水川の氾濫した後の土砂を集めて作った田んぼがありました。いざ自分たちで耕作すると、なんでこんな工事を許したのだと言うぐらい酷かったです。そのため、田んぼと向き合うために機械をいろいろ入れました(レーザープラウなど)。 また、省力化のために直播にも取り組みました。しかし、今は行っていません。直播は鳥害、獣害が酷くて米の品質も上がらない上に収量も上がらなかったからです。今はコシヒカリ・ハナエチゼン・日本晴などを移植栽培で作っています。
Q.アルバイト等の雇用はされていますか
A.家族経営で行なっています。雇用することなく今までやってきました。私が生産する米の圃場がある谷は8割ぐらい我々が作っています。これからも圃場は増えていくでしょう。農地集積は出来ますが、そろそろ手が回らないので次の手段を考えなければなりません。
Q.専業農家として独立に必要と考える要素を教えてください
A.どうやってローンを組むかです。後ろ盾を見つけることが必要ですね。あるいは、どこか(営農組織)に入り込んで死ぬ気でやるかです。独自案を貫くならそれなりの覚悟が必要です。
Q.過去に苦労された話をお聞かせください
A.土地改良後の石拾いです。鉄筋入りのコンクリートなどが圃場の中にあって、キャタピラを痛めることが多々ありました。そのような石があるたびに止まっては石を出し、止まっては石を出しを繰り返すのが大変でした。また、下が水平ではなかったため、トラクターのロータリーを酷使して盤を削って整えることも苦労しました。
あとは過去にハウスが雪害に遭いました。雪で潰れると直したとしてもバタバタするから結局苦労するハメになります。
刈り取り時の忙しさに関しては、計画を立てて刈り取りしているため大丈夫です。
Q.スマート農業を取り入れようと思いますか
A.ドローンは入れます。ただ、乗用管理機の入れ替え用です。ドローンを入れたからといってドローンの防除の作業受託はしません。自動運転機能付きトラクターなどは考えていないです。まっすぐ走らすだけに700万円〜800万円は払えません。
Q.良い農家になるためにはどうすればよいでしょうか
A.できるだけ辛抱強く作業ができることが大切です。単純労働の繰り返しに耐えられるかどうかですね。漠然と単純作業をやっていると人として成長は出来ません。
それと生き物を育てるという理解が必要です。なので、基本的に毎日仕事です。それでも繁忙期を除いて1週間に1日は休みたいですね。
Q.井上さんにとって農業とは
A.地域に貢献することみたいなかっこいいことは言えませんが、米を生産することは楽しいです。収穫時は楽しいですし、収穫量が多い時は素直に嬉しいです。また、収穫量が少なかったら改善策も出てきます。一方で、地域で行事がないと農業という仕事に魅力を感じません。自分は米農家ですが農業は米一本ではなく色々あります。今庄の伝統的なもの、つるし柿やそばにも関わっています。自分が伝統を引き継ぐという形で地域に貢献できたらと思っています。
執筆 中谷
お問い合わせ先
南越前町役場 農林水産課
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